学習院不動産桜友会

会員訪問企画 蛭間正宏さん(東京アセット・パートナーズ株式会社勤務)

■ヒアリング
―大学を卒業してから今の会社にご入社されるまでの経緯をお教えください。

就職活動をしたのは、1980年代の終わりでした。当時はまだバブルで地元である大宮駅の駅前が再開発されるなど再開発がいたるところで行われており、雑居ビルばかりの町から大型ビルが建つ町になるなどしていました。そうした“まちづくり”の仕事に関わりたいと思い不動産業界を志しました。

流通系大手不動産会社から内定を頂いていましたが、大手より中小企業の方が仕事にやりがいを持てそうだと感じ、中小企業にも目を向けたところ、人事部に学習院のOBの方がいらっしゃった不動産・建築会社に入社しました。

新卒で配属された店舗の店長が非常に優秀な方で、新卒1年目でありながらノンバンクで借り入れをして物件を購入したり、裁量権をもって仲介業務をしたりできたため、不動産業界で働くための基礎を身につけることができたように思います。

2社目では当時では珍しかった超高級マンションの分譲・企画・近隣対策などを行いました。その後、会社の営業部が営業部の半分ごと新しい会社に移籍することになったことから、期せずして3社目に転職しました。

この会社は6年間勤めましたが、以前から行っていたマンション分譲・企画だけでなく、建売住宅の企画・販売・売買仲介も行いました。また、仙台でもマンション分譲を行うことになったため、店長として賃貸店舗の立ち上げのための、店舗探し・採用なども行いました。

その後は、外資系大手IT企業の不動産部門で自由が丘を中心としたエリアの戸建分譲業務を行った後、ビル売買をメインとする1部上場の不動産会社に転職し、ビル・区分所有、アパート、戸建、土地の売買業務に携わりました。

―現在のお仕事について教えてください。

5年ほど前に、学習院大学の後輩から声をかけてもらい、現在の会社に転職しました。転職した当時は、まだ宅建番号が(1)(※業歴が5年未満であるということ)のベンチャー企業であったことから、不動産業界で30年以上の自分のキャリア・人脈が活かせています。

仕事としては、社内外から紹介を受けた、都内の土地・戸建・区分所有の売買仲介業務と投資物件として購入して頂いた物件の管理業務を行っています。

私の業務は売買ともに業者向けの案件が多いこともあり、不動産業で一番大事なことは、人脈だと思っています。

経験的に電話やFAX、飛び込み営業から人脈ができることはほぼなく、①専門的な知識があり ②エリア・物件種別が合い ③レスポンスなども良い というような、いわゆる“お仕事をしたい”と思える人は、紹介などを通じて名刺交換をしても10人に1人ぐらいかなというイメージです。

こうした人脈が今では常に2,000人程度あり、「このエリアでこうした案件なら〇〇さんと〇〇さん、〇〇さんが興味あるかな」とすぐに連絡を取れるのが自分の強みだと思います。

不動産業の面白さは、“この物件を売りたい”という、物件所有する人やその物件に担保にとっている金融機関の困っていることと、“この物件を買いたい”というと思う人、その物件に担保をつける金融機関などの困っていることを当事者や仲介者として関わって解決できることです。

不動産業界を志望した際は、再開発という仕事が、土地をきれいにするというイメージがあったので志望したのですが、個別案件で今でもそうした困りごとを整理する仕事ができていること、また、不動産は個別具体性の強いもので、毎回物件の個性やそれを売買する人間関係が違うことが面白いと感じています。

―不動産桜友会または学習院卒業生で良かったと思ったことはありますか

不動産桜友会には新卒で入った会社の先輩から誘われて2012年ぐらいに入会をしました。
学習院大学のネットワークが硬式野球部か同期ぐらいしかなかったので、ネットワークが広がればという期待からでした。

入会して驚いたのは、不動産桜友会の方が上品・真面目で、ちょっとのんびりとした人が多かったことです。不動産業界にいた人間として、この業界でこれぐらい余裕をもっていてもいいのだとカルチャーショックを受けたことを覚えています。

会員には、不動産業界に詳しい弁護士、司法書士、税理士などの士業の方が多く、業務でわからないことがあったときに電話一本で専門的な解決策を教えてくれることや、物件の共同仲介や物件の買い手としてお仕事をさせてもらうなど具体的な案件でもご一緒させてもらっています。
■一問一答コーナー
(ア) ご出身は
埼玉県大宮です
(イ) いつから学習院か
大学からです
(ウ) 部活やサークルはなんでしたか
硬式野球部で投手でした。在籍中に東都大学リーグの三部で2回優勝し、そのうち1回は優勝投手となったことは良い想い出です。今でも野球部のOB会の副会長の仕事をしています。
(エ) 学習院の好きなところ
一言でいえば、「変な人がいない」ということでしょうか。また、後輩への面倒見が良く、後輩であっても敬語を使って話してくれるような品の良い先輩が多いところが好きなところです。
(オ) 趣味は
今でも続けている野球は趣味を超えて真剣にやっているので、逆に趣味と言えるものはないです。ジャンルを問わず本を読むのが好きなので、出来れば趣味は読書と言いたいのですが、最近本を読む集中力が続きません。
(カ) 特技は
特に無いと思っているのですが社内からは「物件調査」と言われます。30年以上、都内や埼玉という不動産の流通量が多いエリアで不動産業界に携わり、数多くの物件資料と現地を見ていることから、普通の人よりは「あれっ?」と気がつけるのだと思います。
(キ) 集めているモノは
昔に切手を集めていたなというぐらいです。
(ク) 好きな本は
今でも不動産に関わる新書や文庫を本屋で見つけるとつい手に取って読んでしまいます。昔から問題になりそうだと思っていたことが、最前線ではどうなっているかの答え合わせをするのが面白いです。

■事務局から
不動産桜友会の中で、「最も不動産に詳しい人は誰か」と質問されたら、蛭間さんのお名前は確実にあがってくるのではないかと思います。それほど不動産業界に詳しく、今でも専門的な知識を日々アップデートしていらっしゃいます。
そのため、不動産桜友会だけでなく、大学不動産連盟の仲間からも何か困ったり、わからなくなったりした時には蛭間さんに意見を聞いてみようと電話してしまいます。そして、そうした面倒な!?問い合わせに「面倒だなー」といいながらも答えてくれるのが蛭間さんです。
蛭間さん、これからも頼りにしております。今後とも何卒ご指導のほどお願いします!

■概要
(ア) 会社名 東京アセット・パートナーズ株式会社
(イ) お名前 蛭間正宏
(ウ) 会社住所 〒104-0045 東京都中央区築地1-3-4 築地ニイクラビル7階
(エ) 会社TEL 03-6264-7280
(オ) メールアドレス hiruma@tokyo-asset.com
(カ) HPアドレス https:// tokyo-asset.com
(キ) 取得している資格 公認不動産コンサルティングマスター
宅地建物取引士
マンション管理士
AFP(2級FP技能士)
賃貸不動産経営管理士
マンション管理業務主任者
(ク) 略歴
1988年 学習院大学法学部法学科卒業
1988年 不動産・建築会社 入社
1989年 マンション分譲会社入社
不動産会社入社
1995年 外資系大手IT企業 不動産部門入社
2004年 東証一部上場の不動産会社 入社
2013年 外資系大手IT企業 不動産部門入社
2017年 東京アセット・パートナーズ株式会社入社 現在に至る

 

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